日 時

■令和元年9月20日(金) 13:00~17:00
(交流会:17:30~19:00)

場 所

■京都経済センター4F 4‐B会議室

参加者数

①セミナー:43名
■一般参加者:33名   ■オブザーバー:3名
■講師3名          ■事務局4名
②交流会参加者数:28名

内 容

【オーバービュー】

■概 要
デザイン思考の概要や歴史、考え方やアプローチ法、メリットやデメリット等の俯瞰的な解説
■演 題 共通言語・思考方法としてのデザイン

■講 師 櫛 勝彦 氏 (京都工芸繊維大学 デザイン・建築学系 教授)

■内 容
科学技術分野に限らず、今日あらゆる分野で高度な専門性が必要とされる一方で、専門家や様々なレベルの生活者による共創が求められている。ロジカルな専門知識を超えた思考アプローチが、その共創の場には必要であるため、デザインシンキング誕生の背景とその変遷を辿りながら、今後の産業の現場、そして教育の現場における共通言語、または思考方法としての「デザイン」のポテンシャルと重要性について概説された。
※デザイン思考はプロダクトデザインプログラムの人間中心主義のコンテンツであり、次の4つが柱
①現場での直接間接によるニーズの発見・発掘
②スケッチ(ニーズの視覚化)とモデル制作(試作)
③左脳と右脳を活用し(両手効き発想)、常識にとらわれない仮想的思考(アンビデキストラスシンキング)
④造形と美意識(フォルムを通した対話)

【特別講演】

■概 要
バージニア大学ダーデン経営大学院のSaras Sarasvathy教授が提唱している27名の起業成功者の行動パターン分析結果を理論化した市場創造に向けた思考様式、問題解決アプローチ法である「エフェクチュエーション」についての紹介

■演 題 エフェクチュエーション ー市場創造のための思考様式ー

■講 師 吉田 満梨 氏 (立命館大学 経営学部 准教授)

■内 容
新事業や新市場が生み出されるプロセスは、事前の予測や計画どおりに進むことは少ないのが現状であり、起業家やイノベーターは、予想外の状況に対処しながら、事業の方向性をピボットし、手持ちの資源を活用しながら、極めて高い不確実性をコントロールしている。そうした熟達した起業家の意思決定研究から発見された思考様式を「エフェクチュエーション」と呼び、誰しもが学習可能な5つの原則から構成されている「エフェクチュエーション」について解説された。
※エフェクチュエーションについての学習可能な5つの原則
①Bird in Hand(手の中の鳥)・・・今、手元にあるリソースから始める
②Affordable Loss・・・許容可能な損失額を設定する
③Crazy Quilt・・・協力してくれる人を増やしていく
④Lemonade・・・偶然の出来事を活用する
⑤Pilot in the Plane・・・コントロール可能な部分に集中する

【ワークショップ】・・・一緒に考える・見つける

■概 要
(株)ロフトワークの会社概要、取り組み事例の紹介の後、グループごとに、(株)ロフトワークが実際に取組んだ事例(魚貝類や海獣などの水族の展示で、学術的・教育的な色彩の強かった水族館をアミューズメント化するためのプロジェクト)を教材に、グループごとに従来の水族館に対する思い込み、イメージから脱却し、これからの水族館のあり方を考え、見つけ、イラストで表現(視覚化)し、グループごとの発表と講師による講評

■テーマ 専門家だけのクローズドな世界をひらく、共創型のアイデア発想

■狙 い 専門性と立場が異なる人たちが共にアイデアを出しあうためのフラットな議論の場作りを体験

■講 師 寺井 翔茉 氏 (株式会社 ロフトワーク)

■内 容
近年は、限られた専門家だけが思考し答えを提示するトップダウン型の問題解決の時代が終わり、利用者も含めた様々な分野の人たちが集まり取り組む「共創型」の問題解決が必要である。共創型の問題解決に欠かせない「一緒に考え、一緒に課題を見つける」というプロセスの実践には、「①立場を超えたフラットな関係性作り」と「②視覚的に考え共有する」という工夫が必要である。
ワークショップでは、実際に(株)ロフトワークで取り組んだ「水族館の新しい展示スペース」を題材に、グループ(オブザーバーも含め6名で1グループ、全6グループを編成、同じ組織や団体の参加者が同じグループにならないように配慮)ごとに、新たな発想でこれからの水族館のあり方を考え、見つけ、グループで共通し、イラストで表現(視覚化)、グループごとに発表することによって、参加者に①と②のふたつのポイントを実際に体験してもらった。

※ワークショップの手順
①アイスブレイク「肩書きから個人へ」、ワークシートを使用してたメンバーのパーソナリティの理解
②水族館の「常識」と「非常識」を洗い出し、付箋を使用してメンバーの「思い込み」を整理、理解
③アイデア発想を簡単なイラストを書きながら思考

https://loftwork.com/jp/news/2019/10/09_terai_coordinator

【交流会】

ワークショップ終了後、参加者、および講師等28名の参加のもと、交流会を開催し交流を図った。