連携期間
2022年7月~
概要
環境発電デバイスの一つである熱電素子は、廃熱などの熱エネルギーを電気エネルギーに変換するもので、IoTデバイスの電源として注目を集めています。様々な機器や設備に多く設置するというIoTデバイスの性質上、その電源も低価格であることが必須であるため、低コストな熱電素子の開発を行いました。
経過
様々な熱電素子の実用化研究が進められていますが、性能が高いものはレアメタルを含み、高温・高圧プロセスが必要で製造コストも高いという問題があります。本研究では、低コストでIoTデバイスの電源として必要な性能を持たせることを目的に、熱電素子としての最高性能を追求するのではなく、現実の搭載を重視したコストパフォーマンスの実現により、IoTデバイスの電源としての普及を目指しました。
結果
GTO(ガリウムスズ酸化物)という比較的低コスト、かつ手に入れやすい素材を使い、スパッタリングという従来の結晶薄膜形成とは異なる製法で、新たな熱電素子の開発を行いました。開発した熱電素子は、今まで捨てられていた熱を電力として再利用できるのが特徴で、安価でたくさん作れることから、汎用性が高いIoTデバイス電源として期待できると考えています。
情報公開
2023年8月31日発行の「CHIE CROSS」(一般社団法人京都知恵産業創造の森の広報誌)に記事を掲載しました。