京都は大きな時代のうねりの中で、千年以上にわたる都として、長い歴史と文化に培われた知恵と、独創性や先進性を追及する価値観を継承し発展してきました。日本文化のふるさとでもある京都は、歴史・文化の蓄積と四季折々の豊かな自然が相まって、国内外から多くの人々を惹きつけるブランド力を有しています。また、伝統に培われた精緻なものづくりの技術や地域の生活に密着した文化の力を背景に、伝統産業から先端産業まで様々な業種が集積しており、大学や研究機関も多数立地しています。その多様性と連携、融合が京都産業の特徴的な強みであり知恵の源泉であります。
我が国の社会経済は、大きな変革期にあります。少子高齢化に伴い深刻化する人手不足や後継者難、新たな技術の進展、顕在化する格差や環境問題への対応などの様々な課題が山積し、持続可能な開発目標を定めたSDGsで提唱されているように、社会課題の解決と経済発展の両立が求められております。
京都が継承してきた「知恵」と「文化」、「技術」を基軸として、更に様々な連携と融合による課題解決に取り組み、将来にわたり持続可能な産業社会の発展を推進し、京都の知恵を国内外に発信していくことが重要であります。
このほど、京都経済百年の計として四条室町の地に「京都経済センター」の建設が実現いたしました。多数の経済団体や支援機関等が集結することにより、多彩な知恵が融合し新たな価値を生み出す「交流と融合」の場を提供するとともに、新たな時代に相応しい中小企業支援機能を集積し、中小企業が抱える様々な課題に対応する総合支援拠点が誕生します。この機会に、文化と経済の密接な交流と連関による価値創造に取り組むとともに、オール京都の知恵の集積を活かし、更なる京都活性化に向けて、全力で邁進していく体制を構築することが肝要であると考えております。
これまで、京都府、京都市及び産業界のオール京都体制により「京都産業育成コンソーシアム」を設置し、京都産業を担う中小企業の育成支援に取り組んでまいりましたが、京都経済センターの整備を機に、このコンソーシアムを発展改組し、京都産学公連携機構及び一般社団法人京都産業エコ・エネルギー推進機構と一体的に運営を行う「一般社団法人京都知恵産業創造の森」を設立することといたしました。京都経済センターに期待される「交流と融合」の効果を最大限に具現化し、オール京都の様々な知恵の融合により幅広い分野で新たな価値の創造を図るとともに、産業人材育成等の産業施策の戦略的な推進を図り、未来につながるイノベーションや知恵を活かしたビジネスプランの創発等、様々な新しい芽が次代の木々となり、豊かな知恵産業の森を構築できるよう、京都から取り組んでまいります。
一般社団法人京都知恵産業創造の森は、これらの目的を達成するため、オール京都で次の事業を展開することとしております。
つきましては、この趣旨にご賛同いただき、本法人設立へのご支援、ご協力を賜りますとともに、皆様のご参画をお願いいたします。